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目次

「はじめに」

「ピッチングの代表的5種類のボール」

「キレ・伸び、のあるボール」

「変化の仕方」

「球種」

投球編

技術解説に

投球スピード、換算表を下記します。

1ml=1.609km   1km=0.621ml

 

  90 Km/hr  : 55.9 ml/hr

100 Km/hr  : 62.1 ml/hr

120 Km/hr  : 74.5 mi/hr

150 Km/hr  : 93.2 ml/hr

 

100 ml/hr         : 160.9 Km/hr

  90 ml/hr         : 144.8 Km/hr

  80 ml/hr         : 128.7 Km/hr

  70 ml/hr         : 112.6 Km/hr

「はじめに」

ボールを投げる!は野球の基本中の基本です。 外野手は、フライ・ゴロを捕球し、内野手へ、遠投。 内野手は、他の野手へ素早く、送球。 言わずもがな、投手は捕手ミットを目掛けて、ホームベースの上を通る、ストライクを投球します。

外野手と投手の投げ方は、良く似ていて、身体一杯使って、ダイナミックなフォームから、低くキレの良いボールを投げます。 内野手は、打者を含む走者を刺すため、小さいフォームから、素早く、肘と手首を使った、スナップスローが基本です。  この編では、投手の投げ方について解説します。

「ピッチングの代表的5種類のボール」

代表的な5種類のピッチング・ボールについて、標準的なグリップ(握り)、リリース(球の離れ)、球筋・軌道、特徴の纏めです。 シーム(縫い目)を上手に利用して、変化球を投げる事が出来ます。

グリップの詳細は各項目(4-シーム・2-シーム・カーブ・スライダー・チェンジアップ)を参照してください。

これらの他には、スプリット・フィンガー・ファースト・ボール(SFF)、フォークボール、ナックルボール、カットボール等が有ります。

ここに示したグリップは絶対的なものでは有りません。自分の体の特徴(指・腕の長さ等)に合わせ、工夫をして、自分にぴったりの、グリップ・リリース・フォーム見つけてください。

4-シーム(Four Seam) ストレート・直球

最も基本的な球種で、誰にでも投げられます。シーム(縫い目)が4本ボールの進行方向に直交するように、人差し指・中指を指一本分開いて、シームにかけ、ボール180°反対側を親指で支えます。ボールを第一関節部分で、つまむ様な感覚です。リリースは、親指(6時)から、人差し指・中指の中間(12時)の方向へ、逆回転(バックスピン)を掛けます。一回転でシームが4度横切ります。ボールは直進し、ボールが指を離れた時(初速)とキャッチャーが受けた時(終速)の差が小さいのが特徴です

詳細は

2-シーム(Two Seam)ストレート・シュート・シンカー

グリップは4-シームと全く同じですが、人差し指・中指をシームの一番狭い場所でシームの真上に添えます。ボールの飛行方向にバックスピンが生じ、一回転でシームが2度横切ります。4-シームに比べ、速度(終速)が若干(~5Km)遅くなります。中指と人差し指の長さが違うため、ボールから両指が離れるタイミングがずれ、少し斜め回転(独楽回転)になり、シュートしながら、少し落ちます。ボールの抜けが、中指と薬指の間になると、急激に落ちるシンカーになります

詳細は

チェンジアップ(Change Up)(サークルチェンジアップ)

全ての指がシームに掛らない様に、人差し指と薬指は中指から、出来るだけ広く、親指と人差し指で円(サークル)を作り、中指は第二関節部分でボールを掴む感覚でグリップします。リリースはストレート系と同じ腕の振り、手首の動きですが、指先をボールに掛けず、第二関節部分を押し出すように、バックスピンを少なくします。中指の微妙な動きで、ボールはシュート回転したり、スライダー回転しながら、急速に落ちます。遅い変化球の代表です。

詳細は

二本の指でボールを切る様にバックスピンを与えます

ボールはピッチャーからキャッチャーまで直線的に移動します。バックスピンが多いと、バッターは、浮き上がる様に

見えます

ボールは4-シームと同じく直進しますが、シームは2回のみの横断で

終速が遅くなります。

二本の指が時間差でボールから離れるので、シュートします

バッターのタイミングを外すのに最適なボールで、必ずしもストライクである必要は

有りません。

手首は立てたまま、押し出す様にリリースします。

スライダー(Slider Ball)(カットボール)

2・4シーム・ストレートに次ぐ、速球です。2・4シームグリップの人差し指を移動し中指に添え、ボール中心から偏って握ります。リリース時に手首を捻らず、2・4-シームと全く同じく、指先でシームを切るようにします。シームが斜め回転し、キャッチャーに近づくにつれ、急激に横曲がりながら若干落ちます。高速で変化がある、打者にとっては、厄介な球種です。

詳細は

カーブ(Curve Ball)カーブ・ドロップ

グリップは2-4-シームと全く違います。人差し指・中指をくっつけたまま、中指をシームの内側に、第一・第二関節部分がボール表面にぴったり添えます。人差し指の180°反対側に親指を添え、その間から、ボールの半分が飛び出してる様に握ります。ボール中心軸から、外側を握る感覚です。リリース時には、手首を内側に曲げ、人差し指・中指外側がキャッチャー方向に向くようにし、中指をシームに引っかけ、正回転を与えることで、キャッチャーに近づくと速度が遅くなり、急激に落ちます。手首の角度を浅くすると、曲がって・落ちます。

詳細は

腕・手首の動きがストレートと同じで、最初に覚える変化球です。

シームから、2本の指先が同時に離れる感覚。

握り・投げ方に特徴に有り、肘・手首に負担が掛ります。小学生

成長途中の中学生  

には勧められ

ません。

中指、第一・第二関節部分が出来るだけ長くシームに掛る様にリリースします。

「キレ・伸び、のあるボール」

ピッチャーは誰でも、キレが有る、バッターボックスで伸びが有るボールを投げたいと、思っています。

それは、ピッチャーが投げた瞬間(初速)とキャッチャーが捕球した時(終速)の速度差が、小さい事を意味しています。

 

ピッチャーは、黒点線のように、直線で投げるのが理想です。投げ始めてキャッチャーミットに入るまで、同じ速度で移動することです。 

しかし、地球上のあらゆる場所で、あらゆる物質を地球中心に向けて引っ張る力が働いています。ボールは自身の重さと毎秒9.8m/sec2の重力の加速度で、ライトブルー線の様に、徐々に地面に向けて落ちて行きます。 それにつれて、ボールの推進力が失われ、スピードが落ちて行きます。

つまり、スピードの低下を抑えるためには、重力に逆らって、揚力・上に持ち上げる力が必要です。それが出来ると、黒線に限りなく近い、赤線の軌道になります。 空気抵抗も、速度が徐々に落ちる要因です。

伸びのあるボールを実現できるのが、ボール進行方向に、上向き回転(バックスピン)をかける事です。

下図でボールと気流(空気の流れ)を4-シーム・ストレートで説明しましょう。

1~4はシームの位置を表します。

 

ボール中心軸から上にある 1,4のシーム突起は、空気の流れを加速します。気流速度は早くなり、空気が薄い(気圧が低い)状態になります。(ベルヌーイの定理)

反対に、ボールの下にある、2,3のシーム突起は、空気の流れを抑えます。気流速度は遅くなり、空気が濃い(気圧が高い)状態になります。

空気が薄い(気圧が低い)ボール上部と、空気が濃い(気圧が高い)下部の気圧(圧力)の差で、ボールが持ち上げられる力(揚力)が働きます。

この現象を、『マグナス効果』と言います。

「4-シーム」回転

「2-シーム」回転

「速球・ストレート」には、グリップ(握り)で2種類あるのは、ご存じのとおりです。 それは、4(Four)-シーム と 2(Two)-シームです。 

その違いは、ボールが1-回転でシーム(縫い目)が横切る回数です。 文字通り、4-シームでは4回、2-シームでは2回です。

「4-シーム」(左図)は4個のシームが等間隔に有ります。「2-シーム」(右図)では、2個のシームが片側に狭く偏っています。

 

全く同じ投げ方でも、進行方向の空気の流れ(気流)をシームが横切る回数で、揚力が全く違います。 従って、ボール一回転で2回しか横切らない2-シームは、4回の4-シームに比べて、揚力が少なく、シームが片側に狭く偏って、気流がランダムになり易く、若干早く地面に近づき、スピードが(3~7Km/Hr)落ちます。

どちらの場合も、リリース時の腕の傾斜・人差指/中指のバランスによって、回転軸が傾斜し、スライダー/シュート回転します。

 

つまり、キレが有るストレートは、ボールがピッチャーの指を離れて、上向き回転し、バッターが打つホームベース上に到達するまでに、何回スピンし、何十回シームで気流を横切る事が出来るのか、で決まります。

ボールが指から離れる瞬間に、人差し指先・中指先で強くこすり下げ、ボールに強いスピンを与える事で、速い・キレのあるストレートが投げられます。

 

余談

近頃は、TV中継時にピッチャーの球速を表示するのが当たり前です。 球場によっては、スコアボードに一球ごとに表示されます。 これらの球速数字は、スピード・ガンで計測した、ピッチャーの指から離れたボールがキャッチャーに届くまでの最高速度を表していて、大概はピッチャの指を離れた直後の球速です。 バッターが感じる球速とは全く異なります。

よく、解説者が ”伸びてます” とか ”キレが有ります” とか言うのは、バッターボックス近くでも、スピード最高速度から変わらない事を意味しています。 ”バッターは表示スピードより速く感じているはずです” とコメントしています。

 

余談

ボールとコンタクトする、人差し指、中指、親指の手入れは、非常に大事です。 マメを作らないように、毎入浴時には軽石などで、軽くこすります。 爪の役割も大事で、噛んだり・深爪は絶対に避けます。 刃物(はさみ・爪切り)を使わず、爪用やすり(女性用が良いです)で、伸びた分だけ、少しづつ削り形を整えます。 刃物を使うと、爪の縦方向に小さい、クラックが入り易く、投球時に割れてしまいます。

 

更に余談

広島カープの前田健太投手は、1秒間に40回転のボールを投げているそうです。例えば、140 Km/Hrのスピードボールだと、キャッチャーミットに入る前に、17.5回転してます。気流を70回も横切っています。

同じように、少年野球の例で計算すると、120 Km/Hrのスピードの場合、14.7回転(59回)になりますが、実際には12回転以下の実験報告が有りました。

「変化の仕方」

シームと回転軸がボールの変化に大きく関わりますが、構造の違いも、投球の質(変化)に影響しています。

硬式では、芯にゴムコーテイング・コルク(約20mm)があり、スイートスポットが比較的広くなっています。最大の特徴は、表面(牛革)が滑らかで滑りやすいですが、シーム(縫い目)がはっきりして、自回転時の、空気抵抗・気流変化が大きく、縦横変化がし易いです。

軟式では、硬式の様に縫い合わせ構造ではなく、シームに相当する突起と、極く小さいディンプルが規則正しく配置されています。ディンプルの目的は、ゴルフボールと同じで、直進性を高めます。 従って、変化球を投げるのは難しい構造です。 特に回転を加える、横変化(スライダー・カーブ・シュート・カッター等)には苦労します。回転を抑える縦変化(チェンジアップ・縦スライダー・ドロップカーブ・スプリット等)は、重力の加速度を活用して、容易に投げられます。

軟式ボールの特徴を理解するために、硬式ボールと比較してみます。

硬式と軟式では、構造が全く違います。

                                                                                               詳細は『ボールとバット』ページを参照してください

備考

軟式ボールは日本独自のデザインで、子供から大人まで、素人が怪我無く野球を楽しむように、考案されました。

野球の本場、アメリカでは、野球と言ったら、硬式ボールです。

 

「球種」

ストレート(4-シーム・2-シーム)の他に、2種類の変化球を投げられるのが、理想的です。お勧めは、早い変化球・スライダーと遅い変化球・チェンジアップです。 スピン回転が多くキレの良い、早いストレートは何時の場合でも(ナックル・ボーラ―を除いて)ピッチャーの生命線です。 変化球は、ストレートとのスピード差が大きいほど、バッターのタイミングを外すのに有効です。

2014.12 Ken Saito

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